「無酸素運動」って何?有酸素運動との違いや目的に合わせた効果的なトレーニングを紹介

「有酸素運動」と「無酸素運動」言葉はよく聞くけれど、一体何が違うのでしょうか?ダイエットやマラソンのトレーニングとして有酸素運動に取り組む方は多いですが、無酸素運動も併せて取り入れることで、その効果をさらに高めることができます。この記事では、無酸素運動の効果や有酸素運動との違い、目的に合わせたトレーニングの取り入れ方について具体的に紹介します。

記事の目次

  • 無酸素運動とは?
  • 有酸素運動と無酸素運動の違いって?
  • ダイエットに無酸素運動は必要?
  • ランナーにもおすすめしたい走力アップの効果とは?
  • 無酸素運動を取り入れてトレーニング効果を高めよう!

アイキャッチ画像出典:PIXTA

無酸素運動とは?

運動にも種類がありますが、大きく分けると「有酸素運動」と「無酸素運動」に分けられます。有酸素運動はよく聞く言葉なので、何となくイメージが浮かぶ方も多いでしょう。では、無酸素運動はどうでしょうか。

 

違いを知るためにも、まずは無酸素運動とはどのような運動なのか見ていきましょう。

筋トレや全力ダッシュなどの短時間で大きなパワーを使う運動

バーベルを持ち上げようとする男性

無酸素運動とは、素早い動きやハイパワーな運動など、短時間で大量のエネルギーが必要になる種類の運動です。身近な運動だと、ダッシュや筋トレなど全力に近いパワーを発揮するものが該当します。

 

日常生活や運動強度が軽い運動の場合、必要となるエネルギーは、体に取り入れた酸素を使って糖質を分解することで取り出しています。しかし、無酸素運動の場合、心拍数が急に上がり体に酸素を送り込もうとしても間に合いません。そこで、酸素を使わずに糖質を分解してエネルギーを取り出します。この場合、得られるエネルギーが少なく、運動を継続できる時間も短くなります。

メリット:筋力や瞬発力を鍛える効果が高い

重りを背負って走る高負荷トレーニング

出典:PIXTA

無酸素運動は運動強度が高く、筋肉に与える負荷も大きいため、筋力や瞬発力を高めるのに適しています。筋トレなどの無酸素運動で筋肉に刺激を与えて、栄養と休息をしっかり取ることで、「超回復」により筋肉をつけることができるのです。

 

▼超回復について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!

デメリット:疲労の度合いが大きく回復に時間がかかる

運動して疲れている人

出典:PIXTA

無酸素運動は運動強度が高く、エネルギーを短時間で多く消費するため、ジョギングなどの有酸素運動と比較すると、時間当たりの疲労の度合いが大きく、回復に時間がかかってしまいます。

 

また、疲れた状態でトレーニングをすると、フォームが悪くなりパフォーマンスを発揮できないだけでなく、怪我のリスクも高くなります。

 

無酸素運動の後は、エネルギー源である糖質と、筋肉の材料になるタンパク質を多く摂り、適度に休息を取るように意識しましょう。

有酸素運動と無酸素運動の違いって?

ランニングマシンを使う人

出典:PIXTA

有酸素運動と無酸素運動では、それぞれ使うエネルギーが異なり、運動する目的が変わります。ダイエットやトレーニングをするときは、この2つの違いをしっかり把握しておくことが大切です。

 

まず、有酸素運動とはジョギングやゆっくり泳ぐなどの比較的運動強度が低い運動のことです。心拍数の上がり方もゆるやかで、運動強度が小さくエネルギーの供給がゆっくりでも間に合うため、糖質を酸素を使って分解し、無酸素運動よりも多くのエネルギーを取り出せます。

 

また、エネルギーを時間をかけて取り出せることから、体脂肪を分解してエネルギーを取り出すこともできるのです。反対に、無酸素運動は脂肪を分解してエネルギーを取り出せません。

 

つまり、筋肉をつけたいときは無酸素運動を行い、脂肪を燃やしてダイエットしたいときは有酸素運動を行うのが効果的です。

ダイエットに無酸素運動は必要?

ダイエットをするなら脂肪燃焼に効果がある有酸素運動が適しています。でも実は無酸素運動にもダイエットに役立つメリットがあります。では、無酸素運動をどのように活用すれば良いか説明します。

無酸素運動で基礎代謝がアップ!

バーベルを持ち上げる男性

無酸素運動(筋トレ)によって筋肉がつくと「基礎代謝量」が高くなります。つまり、日常生活で消費されるエネルギー量が増え、「痩せやすい体質」になるのです。

 

体重は「摂取エネルギー < 消費エネルギー」となったときに減っていきます。筋トレによって基礎代謝が上がれば、食事の量を減らさなくても太りにくくなります。

無酸素運動後の有酸素運動で脂肪燃焼効果アップ!

芝生をランニングする男性

出典:PIXTA

筋トレなどの無酸素運動を行うと成長ホルモンが多く分泌されます。成長ホルモンは筋肉をつけるために必要ですが、それだけでなく脂肪の分解を促進させる効果もあります。

 

つまり、筋トレなどの無酸素運動の後に有酸素運動を行うことで、有酸素運動だけを行ったときよりも効率良く脂肪を燃焼できます。

バランス良く運動することが大切!

靴ひもを結ぶ筋肉質な男性

体脂肪を燃やし痩せようと思って有酸素運動ばかりやるのは、実はあまり良くありません。

 

その理由は、有酸素運動をやりすぎると筋肉が分解されてエネルギーになってしまうからです。体脂肪と一緒に筋肉も落ちるので、体重の減りが早く感じることもありますが、筋肉量が減ってしまうので基礎代謝も低下してしまうのです。

 

つまり、日常生活での消費カロリーが少なくなり、「太りやすい体質」になってしまいます。この状態で運動をやめたり、しばらく中断したりすると摂取エネルギーの方が多くなってしまい、リバウンドしやすくなります。

 

ダイエットをしたいときは、有酸素運動だけでなく無酸素運動も上手くバランスを取りながら取り組むことで、筋肉量の低下を防ぎ、体脂肪を減らすことができます。

ランナーにもおすすめしたい走力アップの効果とは?

無酸素運動はダイエットだけでなく、マラソンなどの走力向上にも適しています。ここからは、ランナーが無酸素運動を取り入れるメリットやおすすめの練習方法について具体的に紹介していきます。

ジョギングよりも心肺機能を高める効果がある

ランニングをする男性

無酸素運動の心拍数は最大心拍数の80%以上と言われています。心肺に高い負荷を与えることができるので、有酸素運動の要素が強いロングジョグなどよりも心肺機能を向上させる効果が高くなります。

 

これを長い時間継続することは難しいですが、「インターバルトレーニング」のような無酸素運動と有酸素運動を組み合わせたトレーニングであれば、効率よく取り組むことができます。

 

▼インターバルトレーニングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!

速いスピードのランニングを維持しやすくなる

マラソンの速いペース

出典:PIXTA

有酸素運動と無酸素運動の境界になるスピードでランニングをすると、だんだんと速いペースを維持しやすくなっていきます。このペースのランニングは「閾値走(いきちそう・しきいちそう)」と呼ばれています。

 

無酸素運動を行うと体内に乳酸が溜まります。体内の乳酸が急激に増える境目が、ランニングにおける「閾値」と言われています。境目を越えないギリギリのペースで走ることによって、血中の乳酸を処理する能力が高まり、乳酸が溜まりにくい走りが身につきます。閾値走を行うと、マラソンのレース後半での失速を抑える効果があるので、タイムを縮めたい人や後半でもペースを維持して走りたい人は、この閾値走を積極的に行うと良いでしょう。

 

ただし、自分の閾値ペースを見極めるのは少し難しいです。感覚としては「これ以上ペースを上げたら一気に疲れてしまう」境目となるペースであり、20分ほどギリギリ持続できるペースになります。

 

疲労を完全に抜いて調整を行うと60分前後は走れるペースと言われていることから、ハーフマラソンのレースペースを目安にする方も多いです。

スピードがついて勝負強くなる

ラストスパートをかける選手たち

無酸素系のトレーニングであるダッシュ(200m~400mのショートインターバル)などの練習を取り入れると、スピードを出して走る力が身につきます。マラソンなどのレースでは、ラストスパートもかけやすくなり勝負強くなります。

 

無酸素運動系のトレーニングをするときは、スピードが出しやすい軽量なレーシングシューズを使うのがおすすめです。

 

ITEM
アディダス アディゼロ ジャパン 5 メンズ
●素材:合成繊維/合成皮革/ゴム底
●重量:224g(27cm片足)
●カラー:4色
ITEM
アディダス アディゼロ ジャパン 5 レディース
●素材:合成繊維/ゴム底
●重量:224g(27cm片足)
●カラー:2色

 

アディダスのアディゼロ ジャパンは、厚すぎず薄すぎず、ジョグからスピード練習まで対応したレーシングシューズです。過去に同シリーズがマラソンの世界記録を出したこともあり、人気のランニングシューズです。

無酸素運動を取り入れてトレーニング効果を高めよう!

海辺をランニングする男性

無酸素運動を取り入れることで、基礎代謝や心肺機能の向上が期待できます。無酸素運動は、ダイエットやランニングに取り組む上で、ベースとなる体作りをサポートしてくれる重要なトレーニングと言えます。有酸素運動との違いやメリット・デメリットを理解し、自分の目的に合った運動を組み合わせながら、その効果を高めていきましょう。

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記助
記助

元800mランナー。100mからマラソンまで、観戦するのも走るのも好きです。楽しく走る方法や速く走るためのトレーニングを主に公開するので、お役に立てたら幸いです。