快適なトレランのために!シューズの選び方と各ブランドの代表モデルをまとめて紹介

トレランを快適にするためには、使用環境や目的に合わせたシューズ選びが不可欠です。ロード用シューズと違い、トレランシューズはアイテム毎に特性が大きく異なる為、走るシチュエーションや走行距離などで使い分ける場合もあります。そんなトレランシューズを選ぶ際のポイントとブランド別のおすすめモデルを紹介します。

記事の目次

  • 普通のランニングシューズとは違うの?トレランシューズの特徴
  • どうやって選べばいい?自分に合ったシューズを選ぶポイント
  • 主要ブランドの特徴とおすすめ商品を紹介!
  • フィールドの状況を考えて自分に合うシューズを探そう

 アイキャッチ画像出典:PIXTA

普通のランニングシューズとは違うの?トレランシューズの特徴

未舗装の道を走るランナー

出典:PIXTA

トレイルランニングは、未舗装の道や登山道を走る近年人気のアウトドアアクティビティです。人間が動きやすいように舗装されたロードを走るときとは異なり、人間が自然環境に合わせて走る必要があります。

 

その為、トレランシューズには、フィールド環境に対応した機能が備わっています。その特徴を具体的に解説します。

変化する路面や環境への適応

滑りやすい路面でのトレイルランニング

出典:PIXTA

未舗装路であるトレイルでは、柔らかな砂地や泥のぬかるみで足をとられたり、濡れた岩場で滑ったり、飛び出した木の根でつまづいたり、様々なトラブルが発生する可能性があります。

 

トレランシューズには、このような路面でも確実に地面を捉えることのできる「高いグリップ力」「足の保護機能」が求められます。

長時間の使用に耐えうる耐久性

長時間のトレイルランニング

出典:PIXTA

近所をランニングするのであれば、足をケガしたり、シューズが破損したりしても、途中で帰ることができますが、自然の中ではそうはいきません。

 

過酷な自然環境の中で使用するトレランシューズには「素材の耐久性」も重要です。

どうやって選べばいい?自分に合ったシューズを選ぶポイント

シューズを選ぶときには「自分の足に合っているか」「目的の用途に対応しているか」を考えることが大切です。自分にぴったりのシューズを履くことはパフォーマンスの向上にも直結します。

 

各ブランドが特徴的なシューズを出していますが、種類が多いと選ぶのも大変です。シューズ選びに迷ったら、下記のポイントから選んでみましょう。

サイズが合っているか

シューズのフィッティングの確認

出典:PIXTA

路面の変化やアップダウンのあるトレイルでは、シューズの中で足が圧迫されます。サイズの合わないシューズを履いていると、下りでつま先側に大きな負担がかかります。試着をして足との相性を確かめることが重要です。

 

試着の際には、「つま先部分に1〜1.5cmほどのゆとりがあるか」「甲の部分がフィットしているか」を特に注意してください。ここのフィット感が弱いと、シューズの中で足が動き、指や爪を傷めることが多いです。

 

また、トレランでは、通常のランニングよりも厚手のソックスを履くことが多いです。トレランソックスには、足を保護する為のクッション性と耐久性が求められるからです。試着時にもトレラン用のソックスを着用してフィット感を確かめるといいでしょう。

アウトソール(靴底)の凸凹の深さ

トレランシューズのアウトソール比較

撮影:RUN HACK編集部

アウトソール(靴底)にはラグと呼ばれる凸凹があり、これが深いほど、路面をグリップする力が大きくなります。ラグの深さによって対応できる路面が変わってくるので、自分が走る場所を想定して選んでみましょう。

 

①ロードからトレイルまで対応できる汎用タイプ

ラグの浅いアウトソール
撮影:RUN HACK編集部

ラグは比較的浅めなので、フラットなトレイルやアスファルトの上でも安定して走ることができます。日本の山は林道やロード区間も多いので、平地のような区間にも対応できるシューズは便利です。

 

②コンディションの悪い不整地に最適化したタイプ

ラグの深いアウトソール
撮影:RUN HACK編集部

ラグが深いので、滑りやすい路面や岩場の多い場所やアップダウンの激しいテクニカルなコースを走るのに向いています。ラグの間隔が空いていて、泥が落ちやすいようになっているのも特徴です。

 

ロード区間が多いコースには向いていないのですが、複数のタイプを持っていれば「前日の雨で路面状況が悪化している可能性が高い。今日は②のタイプに切り替えよう」というように、状況に応じた使い分けの判断ができます。

足の保護機能は十分か

岩の多いトレイル

出典:PIXTA

トレイルでは、飛び出した木の枝に引っかかってアッパーが破れたり、つま先を岩場に強打したり、路面の石や木の根の突き上げによって足裏に痛みが出たりすることもあります。

 

そこでトレランシューズには、破れにくいアッパー素材やつま先を保護するトゥ・ガードが装備されています。

 

また、ミッドソール(靴底の内側のクッション部分)に「ロックプレート」と呼ばれる保護機能を内蔵したモデルを選ぶと、岩場など突き上げの多い路面に対応しやすくなります。

クッション性は走行距離で考える

トレランシューズの着地時のクッション

出典:PIXTA

クッションの厚みは、使用予定の距離を基本に、自分の脚力も考えて判断します。

 

トレランの大会は大きく分けると、10〜30kmくらいの「ショート」、40〜70kmくらいの「ミドル」、100kmを超えるような「ロング」にカテゴリーが分かれています。

 

ショートの距離では、スピードや反発性を重視して、ソールが薄く軽量なシューズを選んでも良いですが、ロングの大会では、足へのダメージを考え、クッション性を重視したシューズを選んだほうが良いでしょう。

 

ただし、クッション性が高くなれば、足捌きの良さが犠牲になります。上記はあくまで目安として考え、自分の経験と脚力に応じて判断してください。

 

また、クッション性がほとんどない「ベアフットシューズ」と呼ばれる種類のシューズもあります。

ベアフットシューズ

出典:Amazon

足袋のようなイメージの裸足感覚に近いタイプで、変化する路面を足裏で繊細に捉え、人間本来の走り方を取り戻すことを目的としています。

 

自然と前足部で着地をするようになる為、普段使われていなかった筋肉を刺激することができますが、その分負担も大きくなります。使用する場合は、いきなり高負荷を欠けるのではなく、徐々に足を慣らしていくようにしましょう。

重さだけで判断しない

変化に富んだ地形を走るランナー

出典:PIXTA

保護機能やクッション性が高いシューズは、それに比例して重量が増えます。軽さはメリットの一つですが、上級者が軽量なシューズを選択できるのは、足の筋力や経験でそれをカバーできるからです。

 

単純に重さだけで選ぶのではなく、走る路面や距離を想定して、保護機能やクッション性がどの程度必要なのか、総合的に判断してみるといいでしょう。

防水性は必要か

泥道の中を走る様子

出典:PIXTA

ゴアテックスなどの防水シューズは、シューズ外部から水が侵入しないことがメリットです。しかし、履き口などから水が入ることもあり、一度濡れると水抜けしないので、乾きにくいことがデメリットとなります。

 

雨の日に走ったり、渡渉したりすれば、ゴアテックスでも内部が濡れ、水がシューズの中に溜まった状態で走ることになります。濡れたとしても走っているうちに乾くことを考えれば、あえて防水では無いシューズを選ぶという判断もできます。

 

防水性の有無は、天候やトレイルの状況に応じて選択するといいでしょう。

主要ブランドの特徴とおすすめ商品を紹介!

トレランシューズを展開する各ブランドには、初心者向けから上級者向けまで、たくさんのシューズが用意されています。ここでは、主要ブランドの特徴とおすすめの人気モデルを紹介します。

SALOMON(サロモン)

SALOMONのトレランシューズは、エネルギーリターンが高く、優れたクッション性を誇るミッドソールと地面に力強く食い込むアウトソールを採用しており、高い耐久性とフィット感で長距離ランにも効果を発揮します。

 

【代表モデル:SPEEDCROSS 5(スピードクロス 5)】
ぬかるみや柔らかな路面にもしっかり食い込むように、深めのラグが広い間隔で配置されています。濡れた岩場や泥道でもしっかりグリップするので、悪路や急坂の多いレース、天候の悪い日にもおすすめです。

ITEM
SALOMON SPEEDCROSS 5
カラー:7色
重量:約320g(27.0cm)

 

▼他のサロモンのトレランシューズを詳しく知りたい方はこちらの記事もチェック!

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)

ノースフェイスのトレランシューズはクッション性の高いミッドソールを使用していて、包み込むようなフィット感と高い衝撃吸収性を発揮します。また、最新モデルのアウトソールには、独自開発の「EXTS」が搭載されていて、トレイルでの加速と減速をコントロールし、安定した走りを可能にします。

 

【代表モデル:Ampezzo(アンペッツォ)】
ロングレースを想定し、通気性と耐久性が高いアッパー、衝撃吸収性の高いミッドソールを採用しています。高いクッション性と耐久性、安定性を兼ね備えているので、初心者の最初の一足としてもおすすめです。

ITEM
THE NORTH FACE Ampezzo
カラー:3色
重量:約310g(27.0cm)

Columbia montrail(コロンビア モントレイル)

コロンビア モントレイルには、初心者から上級者ランナーまで幅広いラインナップが揃っています。防水透湿機能である「アウトドライ」、衝撃吸収に優れた「フリューイッドフォーム」など、8つのテクノロジーから自分のランニングスタイルに合った機能を持つシューズを選ぶことができます。

 

【代表モデル:CALDORADO 3(カルドラド 3)】
ショートからロングまで対応できるオールラウンドタイプ。フラットなトレイルから、岩場の多いテクニカルなコースまで、幅広く対応します。ミッドソールには土踏まずをサポートする機能があり、足の負担を軽減してくれます。

ITEM
montrail CALDORADO 3
カラー:4色
重量:約290g(26.5cm)

 

▼他のコロンビア モントレイルのトレランシューズを詳しく知りたい方はこちらの記事もチェック!

ALTRA(アルトラ)

ナチュラルランニングを提唱するアメリカのシューズブランド。「足の指が自然と広がるようなデザイン」と「つま先側とかかと側の高低差を無くしたゼロドロップ」が特徴です。一般的なシューズには必ず前後の高低差があるので、初めてゼロドロップに挑戦する場合は、少しずつ慣らしていく必要があります。

 

【代表モデル:LONE PEAK 4.5(ローンピーク 4.5)】
アルトラの代名詞といえる定番モデル。クッション性、グリップ力、安定性のバランスが良く、ショートレースからロングレースまで選ばれている汎用性の高さが魅力。最新バージョンでは、靴紐の調整がしやすくなり、フィット感が向上しています。

ITEM
ALTRA LONE PEAK 4.5
カラー:3色
重さ:約299g(MUS9.5 27.5cmで実測)

HOKA ONE ONE(ホカオネオネ)

抜群のクッション性と軽量性で、ストレスフリーな走りを可能にするホカオネオネ。柔らかく弾力のあるアウトソールが、悪路での重心移動を正しく導いてくれる為、スムーズかつ快適な走りが可能です。トレラン初心者の方にもおすすめなブランド。

 

【代表モデル:CHALLENGER ATR 5(チャレンジャー ATR5)】
何度もアップデートされてきた人気モデルで、ロードからトレイルまでオールラウンドに活躍します。アウトソールのラグパターンを前後で変えることにより、トレイルでのグリップ力と安定性を実現しています。

ITEM
HOKA ONE ONE チャレンジャー ATR 5
カラー:4色
重量:約266 g (27.0cm)

inov-8(イノヴェイト)

「抜群のグリップ力」「軽量性」で多くの支持を受けるイギリスのシューズブランド。オフロード用として4種類のソールが用意され、路面に合わせた選択が可能です。「ナチュラルラン」もコンセプトとしているが、アルトラのようなゼロドロップだけでなく、4段階のドロップが用意されているので、自分のスタイルに合わせて選ぶことができます。

 

【代表モデル:TRAILTALON 290(トレイルタロン 290)】
アウトソールの硬さを部分ごとに変えることで、疲れにくい構造になっています。アウトソールのラグがフラットに近い構造の為、ロードや林道が長いレースでも活躍します。クッション性も高く、初心者の入門用や上級者のロングレース向けとしてもおすすめです。

ITEM
inov-8 TRAILTALON 290
カラー:2色
重量:約290g(26.0cm)

LA SPORTIVA(スポルティバ)

創業時からイタリアで生産を続ける老舗のシューズメーカー。登山靴からクライミングシューズ、トレランシューズまで幅広く展開しています。登山靴で実績のある「インパクトブレーキシステム」がトレランシューズにも搭載され、高い衝撃吸収性とブレーキ性能を実現。ランナーの足の疲労を軽減し、安定した走りを可能にします。

 

【代表モデル:MUTANT(ミュータント)】
足裏から全体を包むようなシューレースと、どんな路面にも対応するアウトソールが走りを安定させます。ロングレースにも対応できる快適性と悪路でも安心なグリップ性能を兼ね備えています。様々な距離や路面に対応できるオールラウンドシューズなので、最初の1足に最適です。

ITEM
LA SPORTIVA MUTANT
カラー:2色
重量:約303g(27.0cm)

MERRELL(メレル)

アメリカの総合アウトドアブランドであるメレル。日本ではトレランのイメージはまだ少ないのですが、トップトレイルランナーとして活躍するメレルアンバサダーと共同でシューズ開発を行っており、トレランでも注目のブランドです。

 

【代表モデル:FLUXION(フラクション)】
通気性・速乾性に優れたメッシュアッパーを採用した初心者向けのエントリーモデル。着地の衝撃吸収性にも優れ、林道などのフラットなトレイルが多いコースでは気持ちよく走ることができます。

ITEM
MERRELL FLUXION
カラー:2色
重量:約200g(26.5cm)

adidas(アディダス)

アディダスには「テレックス」というアウトドアのカテゴリーがあり、ハイキングやトレイルランニングに向けたアイテムが展開されています。そのデザイン性の高さからも高い人気を集めています。機能性が充実しているのはもちろんですが、軽量なモデルが多いのも特徴です。

 

【代表モデル:TERREX AGRAVIC TR GORE-TEX(テレックス アグラヴィック TR ゴアテックス)】
ゴアテックスを採用し、耐久性と防水性に優れた全天候型トレランシューズ。アウトソールには深いラグがあり、ぬかるんだ道でも確実にグリップします。非常に軽量なのでショートレースにもおすすめ

ITEM
adidas TERREX AGRAVIC
カラー:2色
重量:約330g (26.0cm)

NIKE(ナイキ)

ロードのランニングシューズで絶大な人気を誇るナイキですが、実はトレランシューズもラインナップされています。ナイキのトレランシューズは、シャープでデザイン性が高い上、優れた通気性と軽量性でスピード感溢れるトレランを実現させてくれます。

 

【代表モデル:エア ズーム ペガサス 36 トレイル】
約265gとトレランシューズとしては軽量なモデル。アウトソールのラグは大きく、濡れた路面でもきちんとグリップしますが、フラットな形状なので、トレイルだけでなくロードでもスムーズな走りを実現します。起伏や障害物の少ないトレイルでの軽快な足捌きが期待できるので、スピードを重視したいショートレースで使用するのもおすすめです。

ITEM
NIKE エア ズーム ペガサス 36 トレイル
カラー:2色
重量:約265g(26.5cm)

ASICS(アシックス)

ASICSのシューズは日本人の足型を使用した製品開発を行っている為、日本人の足にフィットするモデルが多いのが特徴です。ビギナー向けからエリートランナー向けまで幅広いシューズラインナップで、自分に合ったシューズを見つけることができます。

 

【代表モデル:GEL-FUJITRABUCO 8(ゲルフジトラブーコ 8)】
滑りやすい路面でも確実にグリップする「ASICS GRIP」をアウトソール 全面に搭載。また、長時間のトレランでも足への負担を軽減する高いクッション性を備えているので、初心者の入門用として、また上級者のロングレース用としてもおすすめ

ITEM
ASICS GEL-FUJITRABUCO 8
カラー:2色

フィールドの状況を考えて自分に合うシューズを探そう

自然の中を走る女性

出典:PIXTA

トレランをする上で、シューズは何時間も使用することになる重要なアイテムなので、トレイルのシチュエーション、さらに自分の脚力や経験によって使い分けるのも良いと思います。自分が思っていなかったトラブルが起きることもあるかもしれませんが、試行錯誤して考えていくのも面白いですね。ぜひ自分にぴったりなシューズを見つけてトレランを楽しんでください。

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ひがしだいすけ
RUN HACK編集部
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