《TOKYO旅ラン②》東京郊外の原風景に出合える、多摩丘陵ロード+トレイルランニング

東京の風景、と聞いてあなたは何を思い浮かべますか。この記事では、東京の風景を再発見する「旅ラン」コースを紹介していきます。今回は、小田急線・唐木田駅から武蔵野の面影を今も残している多摩丘陵です。道、尾根一本を隔てるだけで、開発によって開けた住宅地や郊外店舗群から緑濃い森、谷間の田畑の谷戸と呼ばれる場所へ。時間の流れがまるで違う風景の狭間を、走ります!

記事の目次

  • TOKYO郊外の半世紀前の風景
  • スタートは小田急線・唐木田駅!
  • 遊歩道をつないだ、約16キロのコース
  • 人と自然が共生してきた里山のビューポイント!
  • 現在と昔を行き来する旅
  • 今回使用したシューズは「ホカ オネオネ チャレンジャーATR6」!

アイキャッチ画像:PONCHO

TOKYO郊外の半世紀前の風景

撮影:PONCHO

『TOKYO旅ラン』、第2回目は多摩丘陵・小山田緑地界隈です。
1965年頃からはじまった多摩ニュータウンの建設によって、多摩丘陵、武蔵野の緑豊かな大地の大半は削られ、住宅地、大学、商業施設、業務施設になりました。ジブリ映画の『平成狸合戦ぽんぽこ』の舞台となった土地といえば、開発による自然の変化を知れるでしょう。

しかし多摩丘陵はすべてが開発されたのではなく、今も生命力に満ちた小さな自然が残っています。

 

撮影:PONCHO

公園のような、そして整然とした街にある小田急線・唐木田駅付近から、南部へ向かうと東京湾へと注ぐ「鶴見川源流」、雑木林が広がる「小山田緑地」、丘陵地の谷を活用した田畑の「谷戸」があります。

 

そこは開発以前、わずか50年前にあった、東京西部、武蔵野の緑の風景です。
ランナーでありライターの私PONCHOは、20年前にこの土地を起点に丘陵地帯が続いていた三浦半島の先端まで旅したことがあります。以来、度々、この多摩丘陵を歩き、残されたトレイルを走ってきました。

今回は特に緑を感じられるコースを厳選、ロードとトレイルを行ったり来たり、約16キロを巡ります。

 

では、そのランニングコースへと、走り出しましょう!

スタートは小田急線・唐木田駅!

撮影:PONCHO

小田急線・唐木田駅は、多摩センター駅からひとつ先の駅で、終点。
周辺の住民と点在する大学の学生が利用者。でも、大学はオンライン授業になっているのでしょう。平日の朝なのにガラガラ・・・・・・。

 

唐木田駅構内にはトイレ、改札を出て券売機脇にコインロッカーがあります。温泉は隣の多摩センター駅の近くに『極楽湯』があります。

 

クルマの場合は、中央道「国立府中IC」から約15キロ南下。駅前の『ケーヨーデイツー唐木田店』の駐車場他、コインパーキングを利用できます。

 

撮影:PONCHO

駅横には『ファミリーマート』、『マルエツ』、周辺には『コメダ珈琲店』『丸亀製麺』、コース上にはコンビニもあり、現地での飲食の補給も問題ありません。

遊歩道をつないだ、約16キロのコース

今回のコースは、散策路と緑地帯を繋いだ約16キロ。

小田急線・唐木田駅を出てすぐ右の住宅地へと入り、榎戸公園から、からきだの道という散策路へ。都道158号線を渡り、散策路のよこやまの道に入って、途中から鶴見川の源流へ南下。再びよこやまの道へ戻り、小山田緑地へ南下。奈良ばい谷戸を通って、三度、よこやまの道に戻り、唐木田駅でゴールとなります。

 

 

コースはロード6、トレイル4くらいの割合です。前半のトレイルでは地形図にしか掲載されていない徒歩道を進むこともあり、紹介したコース通りに進むなら、地形図を用意するか『Geographica』『ヤマレコ』『YAMAP』といった登山地図アプリを使ったほうが安心です。

 

※登山地図アプリ『Geographica』でトラックした地図画像

上の画像が登山地図アプリ『Geographica』の画面です。この画面上に現在地が標示されるので道迷いの可能性はかなり低いです。そして破線が、地形図にしか標示されない徒歩道=トレイルになります。赤線は、私が走ったルートです。

 

撮影:PONCHO

とはいえ、ここは散策路。分岐には標識があるので、紹介しているコース通りではなく、ざっくりと次の目的地を目指しても問題ありません! 前半、よこやまの道に出たら、次は鶴見川源流を目指す道は複数あり、トレイル他、車道からも行けます。

 

旅ランなので、迷いながら目的地へと向かうことが、楽しいんです。

 

今回、私も道に迷ってウロウロしたと部分ももありました。

計測した総距離16.6キロ。累積標高差は463mでした。

コースで間違えてほしくないところは、ココ!

地図上⑧、鶴見川源流手前の路地を左折

撮影:PONCHO
そして地図上⑨、トレイルへの分岐を左へ!
撮影:PONCHO
今回のコースは、わかりにくところがいくつもあります。でも、できれば間違わずに巡ってほしいのが、上の2箇所。鶴見川源流の泉の手前の路地を左折、すぐのトレイルへの道を左折してみてください!
撮影:PONCHO
ちなみに、鶴見川源流の泉は、こんなところ。川崎の河口部の淀んだ水路のような川を知っていると、この清浄さは驚きです。

人と自然が共生してきた里山のビューポイント!

トレイルというと、ロードランナーは、自分には関係ない、危ないから近寄らないと思うかもしれません。でも、今回紹介している多摩丘陵のトレイルは、古くから人々が通ってきた昔道。現在は、いわゆる散策路で、近所のロードランナーはもちろん、お年寄りだってウォーキングしている道です。

 

だから、それほど気構えず、まさに旅する気分でランニングを楽しんでください。

 

撮影:PONCHO

さて、鶴見川源流からトレイルへ入り、登りきった突き当たりを右折、小山田バス停の標識に沿って進むと、間もなく、薄暗い森を出ます。

 

撮影:PONCHO

すると、森と森の間に畑が現われ、眼下に住宅地を見下ろせる気持ちのよい眺望が広がります。クネクネと曲がった下りのトレイルはすぐに終わってしまいますが、この気持ちよさは絶品です! 上のコースマップの⑩が、ココです。

 

鶴見川源流の泉からトレイルに入ってもらいたい理由は、この景色を味わってほしいからです! 是非!!

鶴見川源流の森、住宅地脇に広がる深い緑

撮影:PONCHO

唐木田駅の北側を通る、からきだの道から住宅地の向こうに見える緑。その先にあるのが、今回巡る緑地帯、雑木林、鶴見川源流の森です。

 

撮影:PONCHO
その雑木林の尾根道、見晴らしのよい谷の風景が、この写真。
こんな深い緑が、住宅地のすぐ傍らにあるんです。振り返ったら、広い車道の向こうに『ヤマダデンキ』があるような場所なんです。コースマップの⑥の少し手前付近になります。
撮影:PONCHO
緑だけでなく、野鳥たちもたくさんいます。
コジュケイが「チョットコイ」と唄い、キジが「キーン、キーン」と叫び、ウグイスが「ケキョケキョ、ホーホケキョ」と笑っています。
たぶん、タヌキやハクビシンやアライグマも、イノシシやシカもいるでしょう。
撮影:PONCHO
人の気配が濃厚な昼間、動物たちは身を潜めて姿を見せません。
でも、ひょっこり姿を見せやしないかと、キョロキョロしながら走りました。
それに、梅雨までの新緑の季節や秋の紅葉時期は、森の光がとても美しいです。この美しさを手軽に味わえるのは、多摩丘陵、里山ならではの贅沢だと感じます。

丹沢の山並みを見渡せる小山田緑地

撮影:PONCHO

『東京国際ゴルフ倶楽部』というゴルフ場のまわりと、南側にあるのが小山田緑地です。

上の写真は、その緑地内のアサザ池というところ。きれいなトイレもあって、休憩にぴったりです。

 

撮影:PONCHO

アサザ池から山に入り、峠を越えると、「吊り橋」の標識。

多摩丘陵には、なんと吊り橋があるんです! 小さいけれども、立派なものです。

 

撮影:PONCHO

小山田緑地のみはらし広場からは、丹沢の山並みが見られます。そして富士山の頭がほんの少しだけ見えました。丹沢が近すぎて、この付近からだと富士山はほとんど見えなくなってしまうんです。

谷間に満ちる水を利用した耕作地、谷戸

撮影:PONCHO

小山田緑地の第一駐車場を抜け、車道を渡った先にあるのは、奈良ばい谷戸。丘陵地の谷にある畑です。公園として整備された小山田緑地よりも、昔に近い里山の風景が見られます。

 

撮影:PONCHO

なぜならNPO法人、ボランティアの方々が、この里山を保全しようと、畑の再生や雑木林の手入れ、炭焼き小屋等をつくっているからです。奈良ばい谷戸は、長く続いてきた多摩丘陵らしい里山の景観が守られています。

 

谷戸の奥から振り返ると、谷の向こうに、小山田緑地のみはらし広場からも見えた丹沢の山並みがあり、富士山がほんの少し頭を見せていました。

そして蛙の合唱が響き、シジュウカラがハミングし、風が踊っていました。

現在と昔を行き来する旅

撮影:PONCHO

今回のコースは、現在の整備された人の気配の濃い風景と、長く続いてきた人と自然とが融合した昔話のなかで見られるような風景を行き来する旅ランでした。

時間の流れははっきりと違っていて、雑木林のタイムトンネルを抜けると変わる風景が新鮮でした。

 

撮影:PONCHO

TOKYO郊外の原風景。都心のランニングコースと違ってランナーも利用者も少なめ。

いつもと違うランニングを楽しみたいロードランナー、手軽に山気分を味わいたいトレイルランナーにおすすめです。

今回使用したシューズは「ホカ オネオネ チャレンジャーATR6」!

撮影:PONCHO

ホカ オネオネ/チャレンジャー ATR 6 ¥17,600

今回のTOKYO旅ランで使用したシューズです。

ATRとはオールテレイン、全地形を意味。だからロードからトレイルまでしっかりとグリップ。いや、これが本当によくグリップするんです。これまでたくさんのトレイルランニングシューズを履いてきましたが、このシューズは随一です!

それに今回のコースのようにロードとトレイルを行き来するのに、なんの不安もありません。

 

撮影:PONCHO

重量は279g/27㎝(メンズ)なので決して軽くはないのに、走行感はとても軽量。不思議です。

いわゆる厚底のソールは、下りでフワリと足裏を包み込んで衝撃を吸収。その感覚が独特で、とても気持ちいいんです。正直、このシューズのファンになりました。

 

撮影:PONCHO

デザイン、カラーリングも洗練されています。スポーティーさとアウトドアっぽさが上手く融合。派手過ぎず、シック過ぎず、多くのランニングウエアと上手くコーディネートできそうです。

また今回使用したカラーのみ、メンズはワイドモデルが用意されています。

ウィメンズもラインナップされていて、空色のブルーカラーとヒマワリのようなイエローを組み合わせたモデルは、これからの季節に履きたいランニングシューズです!

ホカ オネオネ/チャレンジャー ATR 6の詳細はこちら

ITEM
ホカ オネオネ チャレンジャー ATR 6 メンズ
ITEM
ホカ オネオネ チャレンジャー ATR 6 ウィメンズ

 

さて、次回はどこを走ろうかな? それでは!

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PONCHO
PONCHO

走り出してわかったのは、世界はどこも美しく、カラダは毎日変化して、気分は進む程に軽くなること。近所の土手から、広葉樹の森、人々が暮らす街、そして海を見渡せる島まで、旅するように走ることが好きなライター。