ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」をレビュー!カーボンプレート搭載の革新的トレランシューズ

「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」より発売されたカーボンプレート搭載のトレランシューズ「Flight VECTIV(フライトベクティブ)」。着地時のエネルギーを推進力へと変化させるVECTIVテクノロジーを搭載した、ウルトラトレイル向けのモデルです。今回は編集部が実際に試して徹底レビューしてみました。トップアスリート向けに開発された今作ですが、一般ランナーにとってはどんなシューズになるのか、その使い勝手を詳しく紹介します。

記事の目次

  • カーボンプレート搭載のトレランシューズ「フライトベクティブ」が登場!
  • 「フライトベクティブ」はどんなシューズ?
  • 実際にトレイルを走って試してみました
  • 推進力と安定性が両立した、走る楽しさを感じられるシューズ

アイキャッチ画像撮影:RUN HACK編集部

カーボンプレート搭載のトレランシューズ「フライトベクティブ」が登場!

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」

撮影:RUN HACK編集部

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)が満を持して発表した新作シューズ「Flight VECTIV(フライトベクティブ)」。本作は2021年最も話題を集めたトレランシューズの一つであることは間違いないでしょう。

 

ここ数年のマラソン界では、カーボンプレート入りシューズを履いたランナーが次々と記録を塗り替え、瞬く間にランニングシューズのトレンドを変えてしまいました。そんな中、トレラン用としてもついにカーボンプレートが搭載されたシューズが登場。ザ・ノース・フェイスのグローバルアスリートによって、ロングトレイルの本場であるヨーロッパでテストを重ねながら開発されました。

 

今回は編集部にて実際にシューズの試走を行い、その真価を徹底レビューしていきます。「カーボンプレート」に注目が集まりがちですが、どうやらこのシューズの特長はカーボンプレートによる反発力だけではなさそうです。

「フライトベクティブ」はどんなシューズ?

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」

撮影:RUN HACK編集部

「VECTIV(ベクティブ)」とは、ザ・ノース・フェイスによって生み出された新たなソールユニットのプラットフォームを指します。このテクノロジーは「3D形状のプレート」「ロッカー構造のミッドソール」「自社開発のアウトソール」の3つで構成され、走行時のエネルギーを余すことなく推進力へと変換し、ウルトラトレイルにおける脚のダメージを軽減させることを目的にしています。

 

まずは、それぞれのテクノロジーの特徴とそのメリットについて解説していきます。

「ロッカー構造」がエネルギーを推進力に

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」のミッドソール

撮影:RUN HACK編集部

2層のEVAが採用されたミッドソールは、かかとからつま先まで緩やかにカーブした「ロッカー構造」になっています。着地時にはゆりかごのように前方に転がり、エネルギーを無駄なく推進力に変えることができます。

 

反発性にも優れており、ロングレースの後半で脚が疲労してきた後でも、着地から蹴り出しまでを効率的にサポートしてくれます。

 

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」のつま先部分

撮影:RUN HACK編集部

つま先側はかなり傾斜があるように見えますが、極端にカクッと倒れ込むような感覚はなく、履き心地に違和感はありません。

反発性と安定性を生み出す「3Dカーボンファイバープレート」

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」のカーボンプレート

撮影:RUN HACK編集部

かかと部分にせり出して見えている「3Dカーボンファイバープレート」は、平面ではなく立体的に成型され、足を下から包み込むような形状になっています。実はこのプレートは、「反発力」を生み出すだけでなく、「安定性」をもたらす役割も担っています。

 

不整地を走るトレランでは、着地の際のブレも平地以上に大きくなります。このような前後左右へのブレが軽減されることで、筋肉へのダメージも少なくなるので、長い距離を走り続けるランナーにとってはメリットとなります。

 

前述した「自然と転がるようなロッカー構造」と「反発性と安定感をもたらすプレート」の2つの相乗効果により、脚への負担を少なく抑えながら推進力を生み出してくれるのが「ベクティブ」システムの大きな特長です。

 

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」の屈曲性

撮影:RUN HACK編集部

プレートは固すぎることなく、屈曲性も損なわれていないので、走行時の違和感も少なそうです。

あらゆる路面でグリップ力を発揮する「アウトソール」

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」のアウトソール

撮影:RUN HACK編集部

アウトソールは、ザ・ノース・フェイスが新たに自社開発した「Surface CTRL ラバー」が採用されています。サーフェスコントロールと名付けられている通り、ドライでもウェットでもしっかりとグリップするよう配合が調整されています。

 

また、ザ・ノース・フェイスの契約アスリートによる実走テストでは、​走破距離が500kmを越えた後でも、理想的なクオリティを保っていたという検証結果もあり、耐摩耗性も大幅に強化されています。

高いフィット感を生み出す「アッパー」

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」のアッパー

撮影:RUN HACK編集部

甲周りには、注目の新素材「Matryx(マトリックス)」を使用。防弾ベストにも使われるケブラー繊維とポリアミドで形成された素材で、耐摩耗性や通気性、軽量性に優れています。

 

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」のアッパー

撮影:RUN HACK編集部

足指の動きで肌に当たりやすい前足部には柔らかなエンジニアードニットが使われています。適度な伸縮性があり、快適な履き心地を実現しています。

 

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」のシューレース

撮影:RUN HACK編集部

シューレースにはやや細めの平紐が採用されています。シューホールは2つの穴を通す形状で、紐が緩みにくい構造になっています。

 

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」の履き口

撮影:RUN HACK編集部

履き口はシュータンが一体化した形状になっており、フィット感も良好です。

 

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」の履き口

撮影:RUN HACK編集部

かかと部分にはソフトなパッドが配置され、優しくホールドしてくれます。

ウルトラトレイルでも負担を感じさせない「軽量性」

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」の重量

撮影:RUN HACK編集部

重量は26.0cmの実測で、278gでした。厚みのあるミッドソールを採用しながらも300g以下の重量に抑えられています。足への負担を軽減しつつも軽快に走ることができそうです。

実際にトレイルを走って試してみました

それでは、実際にフライトベクティブを履いてトレイルを走ってみましょう。登り・下りの感覚や雨で濡れたコンディションでの印象を含めたレビューを紹介します。

サイズ感とフィット感は?

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」のフィッティング

撮影:RUN HACK編集部

足入れをしてみると、非常に足当たりが良いというのが第一印象でした。サイドのMatryxメッシュパネルは伸縮しないので、紐を締めていくことで甲周りをしっかりとホールドしてくれます。一方、前足部や履き口はニット素材で適度に伸縮するので、圧迫感が少なくストレスがありません。

 

ザ・ノース・フェイスのシューズは前足部がやや狭いものが多い印象でしたが、今作はややゆとりがあり、小指が当たることもありませんでした。サイズは普段と同じ26.0cmを選んでいます。

気持ちの良いバウンド感で前に進んでいく

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」を履いて走る人

撮影:RUN HACK編集部

ソールが弓状にローリングしていることもあり、中足部付近で接地したときに最も強いバウンドを感じます。そこからソールの形状にまかせて自然と前に転がり、前足部に踏み込むと、グンッと前に進む感覚を得られました。走りやすいフラット寄りのコースでは、とにかく気持ちよく走り続けることができます。

 

日本のトレイルはロードや林道区間も多いので、走りやすいパートを安定して楽に走ることができるのは大きな強みになりそうです。実際にロードでも走ってみましたが、アウトソールのラグが3.5mmとそれほど高くないこともあり、トレイル用とは思えないほど快適に走ることができました。

 

また、シューズが自然と正しいフォームに導いてくれるような感覚もあり、一定の走りを継続しやすいと思いました。軽量性を重視したエリート向けモデルの場合、シューズのねじれによってコントロールが難しいものもあります。しかし、フライトベクティブはプレートによる安定性が高く、一般のランナーも安心して履けるシューズに仕上がっています。クッション性もミドルレンジのレースまでであれば問題ないでしょう。

登りがいつもより楽に感じる

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」を履いて登りを走る人

撮影:RUN HACK編集部

登り区間では、ロッカー構造による自然な前進とプレートの屈曲による反発によって、ポンポンと楽に駆け上がっていくことができます。アウトソールもしっかり地面をとらえてくれるので、緩やかな登りはいつもよりも楽に感じました。

正しい下り方が身につくかも?ただしスピードの出し過ぎに注意

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」を履いて下りを走る人

撮影:RUN HACK編集部

下りパートを苦手と認識している人は多いのではないでしょうか。トレイルに慣れていないと下りで腰が引け、かかとでブレーキがかかってしまうこともあります。

 

フライトベクティブの場合、少し前に体を預ける意識で足を踏み込むと、ロッカー構造により自然と前足部に転がるように走ることができます。プレートの効果で安定性もあるので気持ちよく下る感覚が掴めるかもしれません。

 

しかし、高い推進力により自分が思っている以上にスピードが出ます。スピードが出ればその分足への負担も増えてしまうので、ロングトレイルを走る場合は注意が必要です。最後まで押し通せる脚力を持ったトップランナーは問題ありませんが、一般のランナーは後半の脚を残すためにあえてスピードを抑えて走ることもあるでしょう。出場するレースの距離に応じて走り方を意識するか、同じベクティブシリーズの「ベクティブインフィニティ」や「ベクティブエンデュリス」をチョイスするのも良いかもしれません。

足捌きを邪魔しない追随性

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」を履いて下りを走る人

撮影:RUN HACK編集部

フィット感が高く非常に軽量なので、足への一体感も非常に高いです。結果、細かい足捌きが求められる場面でも軽快にステップを踏むことができました。プレートが路面の突き上げを軽減しブレも抑えてくれるので、足場の悪い場所での不安感も少ないですね。

濡れたコンディションでのグリップも良好

泥道でのザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」のグリップ

撮影:RUN HACK編集部

雨の日にも試走を行い、濡れた路面でのグリップ性能もチェックしてみました。ぬかるんだ泥の上や濡れた岩の上でも滑ることなく安心して踏み込むことができました。ラグは決して深くないのですが、しっかりと粘りのあるグリップを発揮してくれます。

推進力と安定性が両立した、走る楽しさを感じられるシューズ

ザ・ノース・フェイス「フライトベクティブ 」を履いているランナーの足元

撮影:RUN HACK編集部

ザ・ノース・フェイスによると、フライトベクティブ は「ウルトラトレイルで表彰台を狙うトップアスリートのために開発されたシリーズ最上位モデル」と説明されています。この位置付けになると、使用できるランナーはかなり限られてしまいそうですね。しかし、今回試走を行った印象としては、決してトップアスリートだけのシューズというわけではなさそうです。

 

高い推進力を持った軽量なシューズですが、安定性や足の守る機能も十分にあり、コントロールもしやすいのが特長です。大会で上位を狙う上級者にとって良きパートナーになることは間違いないですが、初心者や中級者であれば、ショート〜ミドルレンジの勝負シューズの選択肢としてぜひ候補に入れてみてほしいですね。走りを快適にサポートしてくれるので、いつもよりもっと楽しく、長く走ることができますよ。

「フライトベクティブ」特設サイトTHE NORTH FACE 公式サイト

ITEM
ザ・ノース・フェイス / フライトベクティブ【メンズ】
●重量:約285g(9インチ/片足)
●サイズ:25.0〜28.5cm
●カラー:TNFホワイト×TNFブラック(WK)
ITEM
ザ・ノース・フェイス / フライトベクティブ【レディース】
●重量:約248g(8インチ/片足)
●サイズ:23.0〜26.0cm
●カラー:TNFホワイト×TNFブラック(WK)
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記助
RUN HACK編集部 青木
RUN HACK編集部 青木

■RUN HACK運営&記事編集担当。学生時代はテニス部に所属していたが、社会人になってから運動不足を感じてランニングを開始。自然の中を走るトレランの楽しさに目覚め、ハセツネやITJなどの大会に出場。読者目線を大切に、ランニングの魅力や新たな発見のある記事をお届けしていきます。