ゆっくり走って健康に!歩くより効果の高い「スロージョギング」のすすめ

ランニングを始めたいけれど自信がなくて、という方におすすめしたいのがスロージョギングです。スロージョギングとは「ゆっくり走ること」で、走りながら友人と笑顔で会話できるぐらいのペースで行います。それでいてダイエットにも効果的で、ランニングの第一歩として最適な運動です。初心者だけでなく、ちょっと追い込み過ぎてランニングに疲れてしまったり、故障ばかりして、という方のリハビリメニューにもおすすめ。今回は、そんなスロージョギングのメリットや具体的なやり方のポイントについて解説していきます。

記事の目次

  • スロージョギングはどれぐらいゆっくり走る?やり方紹介
  • ゆっくり走るとこんなメリットがある!
  • どのぐらいの頻度で走ればいい?
  • スロージョギングの走り方は?効果を高める3つのポイント
  • ベテランランナーにこそスロージョギングをおすすめしたい理由
  • どんなウェアが必要?スロージョギングにおすすめのアイテムを紹介
  • スロージョギングは新たなランニングの楽しみ方

アイキャッチ画像出典:PIXTA

スロージョギングはどれぐらいゆっくり走る?やり方紹介

スロージョギングとは、その名の通りゆっくり走ること。「走る=つらい」と感じてしまう初心者でも、楽しく続けることができます。では、「ゆっくり」とはどれくらいのペースでしょうか。

隣の人と会話できる程度のペースで走る

おしゃべりしながらスロージョギングをする女性

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日本でスロージョギングを推進している一般社団法人日本スロージョギング協会では、スロージョギングを「隣の人と話ができるくらいの運動強度」としています。ここで重要なのは、ペースではなく運動強度としていることです。ペースは人によって差があり、オリンピック選手なら会話しながらでも1キロ4分ペースで走れるでしょう。スロージョギングでは、決められたペースに合わせる必要はありません。

極端に言えば「歩くよりゆっくり」でもOK!

女性ランナー のんびりラン

出典:PIXTA

スロージョギング協会によれば、高齢者や運動経験の少ない人の場合は、「歩く速度か、むしろそれより遅いペースでも良い」と説明しています。なにより大切なのは、無理をせずに自分にあった適切な運動強度で行うことだそうです。

 

さすがにウォーキングよりもゆっくり走るのは逆に難しいかもしれません。しかし、ランニングがなかなか続かない理由には、無理をして疲れてしまったり、脚を痛めてしまったりということが多いのも事実。無理をしないスロージョギングなら続けられそうですね。

LSDとは違うの?

ゆっくりペースで走る女性

出典:PIXTA

「ゆっくり走る」というと、マラソンの練習の一つであるLSD(Long Slow Distance)を思い出す方もいらっしゃるでしょう。LSDの場合もゆっくり走ることは同じですが、スロージョギングとは目的が違います。

 

LSDは長い距離をゆっくり走ることで全身の持久力を高めるためのトレーニングです。長い距離を走るために1時間以上、可能であれば2~3時間も走り続ける必要があります。しかし、スロージョグには何時間走らなければいけない、というしばりはありません。自分の気の向くまま自由に走れば良いのです。

ゆっくり走るとこんなメリットがある!

ダイエットするにはガッツリ追い込んで走らないと・・・と思っていませんか?

スロージョギングはダイエットに向いている

ダイエットでお腹が気になる女性

出典:PIXTA

走る時にエネルギー源となるのは糖質と脂質です。ペースを上げて走る時(=運動強度が高い)、私達の身体の中ではより燃焼しやすい糖質が消費されます。逆に、ゆっくり走る時には脂質が使われやすくなります。ダイエットのためには、無駄な体脂肪を燃焼させることが大事なので、スロージョギングの方が効果的なのです。

ウォーキングよりも効果的!

公園でウォーキングをする若い女性

出典:PIXTA

そんなにゆっくり走るならウォーキングと変わらないのでは?と思われる方もいらっしゃるでしょう。もちろん先ほどの理論でいけば、ウォーキングの方が体脂肪を燃焼しやすいのは確かなのですが、ウォーキングはランニングよりも運動強度が低いので消費カロリーが稼げないのです。ダイエットの観点からいえば、スロージョギングは運動強度と消費カロリーのバランスが取れた運動といえるのではないでしょうか。

どのぐらいの頻度で走ればいい?

在宅勤務や自粛期間で体重が増えてしまって・・・という方がスロージョギングでダイエットするのであれば、どれぐらいの頻度で走ればいいのでしょうか。

まずは月40kmを目標に!

ウォームアップをする女性ランナー

出典:PIXTA

青山学院大学陸上部のトレーニングアドバイザーとしても有名なフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんによれば、まずは月40kmが目標とのことです。週二回走るなら1回5km、これなら無理せず始められそうですね。

 

ただし、スロージョギングの目的は楽しく運動することです。「週二回、絶対走らなければ!」となってしまうと、逆に負担に感じてイヤになって止めてしまうかもしれません。あくまで目安にする程度でいいでしょう。

スロージョギングの走り方は?効果を高める3つのポイント

「ゆっくりペースなのはわかったけれど、実際にはどうやって走ればいいの?」という方に、具体的なスロージョギングの走り方について解説していきます。気をつけてほしいのは次の3つです。

1. 歩幅を小さくピッチを意識する

狭い歩幅で走る女性

出典:PIXTA

ランニングのスピードは、ストライド(歩幅)×ピッチ(脚の回転数)で決まります。歩幅が大きいとスピードが上がってしまいますし、大きく脚を動かすことで疲れやすくなってしまいます。

 

スロージョギングでは、脚をガッと前に出そうとするのではなく、ピッチを意識して細かく刻んで軽快に走るイメージです。といっても無理に脚の回転を速くしようと意識する必要はありません。それよりも、自分の気持ちのよいテンポでピッチを刻めているかが大事です。

 

音楽を聴きながら走るという方であれば、ミドルテンポ(BPM 90~140くらい)の曲を聴きながらだとリズムをつかみやすいと思います。Suchmosの「STAY TUNE」やあいみょんの「マリーゴールド」あたりを聴きながら走るのがおすすめです(※個人の感想です)。

 

▼ピッチを意識した走り方についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!

2. 背筋をまっすぐ伸ばす

姿勢の美しい女性ランナー

出典:PIXTA

背の高い方は普段から猫背気味になりがちですが、走るときに猫背はNGです。背中が曲がっていると腰に負担がかかりやすく、故障の原因にもなりかねません。背筋をすっと伸ばして走ることを意識しましょう。姿勢を正せば、脚も前に出やすくなりますよ。

 

▼走るときの姿勢についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!

3. 着地はフォアフットを意識して!

つま先側で着地する女性ランナー

出典:PIXTA

スロージョギングでは、足の指の付け根から着地するフォアフット走法を意識します。かかとから着地(ヒールストライクといいます)すると、着地のたびにブレーキがかけながら走っているような状態になり、脚への負担が大きくなります。一方、フォアフット走法であれば、着地している時間が短くなり、軽快に走れます。

 

ただし、フォアフット走法を意識しすぎると蹴りが強くなってしまいがちです。地面を蹴るような走り方は足首などを痛める原因にもなるので、無理に力を入れずに、地面からの反発を軽くいなすような感じで走りましょう。

ベテランランナーにこそスロージョギングをおすすめしたい理由

「スロージョギング=ランニング初心者のためのトレーニング」と考えていませんか?実はベテランランナーの方にこそ、スロージョギングをおすすめしたい理由があります。

負荷を減らしながらトレーニングを続けられる

公園でスロージョギングをする男性

出典:PIXTA

私を含め長年走ってきた方は、故障とまではいかないものの、きっと身体のどこかに弱くなっている部分を抱えているのではないでしょうか。また若い頃は多少の無理が効いたのに、段々とそれが効かなくなってきた、あるいはリカバリーに時間を要するようになった、という方もいらっしゃるでしょう。

 

身体は正直なので、加齢などによってハードなトレーニングに徐々に耐えきれなくなってくるのは、残念ながら仕方がないことです。

 

そこで、もし今まで週に3回走っていたとしたら、その内の1回を疲労抜きのためにスロージョギングに替えてみてはいかがでしょうか。スロージョギングなら、「トレーニングはしたいけれど負荷は減らしたい」というちょっと矛盾した(?)目的にも合致します。

あらためてランニングの楽しさに気がつく

楽しそうな女性ランナー

出典:PIXTA

走る時に景色を見ていますか?もしかしたら、ランニングウォッチの液晶画面しか見ていない、どんな風景か思い出せない、という人もいらっしゃると思います。

 

皇居を何十回、何百回と走っているはずなのに、100m間隔で道路上に描かれた花の絵に気がつかなかったランナーを実際に知っています。基本的に夜しか走らない方だったという理由もありますが、おそらくペースを上げて追い込んで走っていたので、周りを見る余裕がなかったのでしょう。

 

たまにはペースを落としてゆっくり走ってみてはいかがでしょうか。今まで見落としていたきれいな景色や美味しそうなお店に気がつくなど、新たな発見があるかもしれませんよ。

どんなウェアが必要?スロージョギングにおすすめのアイテムを紹介

スロージョグは負荷がさほど高くない運動なので、極端に言えば動きやすい服装であれば問題ありません。しかし、走ることに適したものを用意すれば、もっと快適に楽しむことができます。特に決まりなどはありませんが、いくつかの注意点も含めて、アイテム選びについて紹介します。

ランニングシューズは必ず購入しよう

スロージョギングといえど、ランニングには違いありません。必ずランニング専用のシューズを履くようにしましょう。

 

ファッションスニーカーなどでランニングをすると足を痛める原因にもなります。

現在のランニングシューズの主流は、地面からの反発力を推進力に変えるという、いわゆる厚底シューズ。しかし、スロージョギングの場合はスピードを追求するわけではないので、そういったカーボンプレートの入ったシューズは向いていません。むしろソールが柔らかくて薄く、裸足に近い感覚で走れるシューズがおすすめです。

ITEM
ナイキ フリーラン フライニット 3.0【メンズ】
●重量:172g(片足)
●素材:アッパー/合成繊維,合成樹脂 ソール/合成底
●サイズ:24.5~30.0cm
●カラー:3色
ITEM
ナイキ フリーラン フライニット 3.0 【ウィメンズ】
●重量:172g(片足)
●素材:アッパー/合成繊維,合成樹脂 ソール/合成底
●サイズ:24.5~30.0cm
●カラー:3色

 

ナイキのフリーランフライニット3.0は、柔らかなソールが足の動きにしっかりと対応する、まさに素足感覚のシューズです。シューレースがなく脱ぎ履きが楽で、デザインもお洒落なので普段履きにもおすすめです。

さらさら感がうれしいドライ素材を選ぶ

綿100%のものは肌触りは良いのですが、汗を吸ってしまい重くなってしまいますし、汗冷えの原因にもなります。特にアンダーウェアには汗をすばやく逃がす素材のものがおすすめです。

 

ITEM
ファイントラック ドライレイヤーウォーム ロングスリーブ【メンズ】
●重量:96g
●素材:ポリエステル90%,ポリウレタン7%,複合繊維(ポリエステル)3%
●サイズ:S / M / L / XL
●カラー:1色
ITEM
ファイントラック ドライレイヤーウォーム ロングスリーブ【ウィメンズ】
●重量:75g
●素材:ポリエステル90%,ポリウレタン7%,複合繊維(ポリエステル)3%
●サイズ:S / M / L
●カラー:1色

 

アウトドア用のアンダーウェアで定評のあるファイントラックの製品です。快適な着心地に加え抗菌防臭や、静電気を抑制する機能も備えているなど冬のアクティビティには欠かせない一着です。

アウトドアウェアも便利

純粋に走るだけであればランニング専用のものがベストですが、スロージョグには、便利なポケットがついていたり、簡単にたためたりと機能が豊富なアウトドア用のものがあると快適です。比較的落ち着いたカラーのウェアも多いので、ランニングウェアは派手でちょっと抵抗がある、という方でも抵抗なく着こなせます。街着としても活躍するので1着あると便利ですよ。

ITEM
ノースフェイス ベンチャージャケット【メンズ】
●重量:230g
●素材:ナイロン100%,ポリウレタンラミネーション
●サイズ:S / M / L / XL / XXL
●カラー:5色
ITEM
ノースフェイス ベンチャージャケット【ウィメンズ】
●重量:195g
●素材:ナイロン100%,ポリウレタンラミネーション
●サイズ:S / M / L / XL
●カラー:5色

ノースフェイスのベンチャージャケットは、コンパクトに畳めてバッグに常備できる防水ジャケットです。軽くて薄い手触りなので、ウインドブレーカーとしても活躍します。

スロージョギングは新たなランニングの楽しみ方

スロージョギングで走るモチベーションが高まった女性

出典:PIXTA

外出自粛期間中にランニングを始めたけれど、解除になったら止めてしまった、という方も多いようです。またそれとは逆に、今まで走っていたけれど、大会がどんどん中止になってモチベーションが落ちてしまい走らなくなってしまったという方もいらっしゃるでしょう。そして、一度走るのを止めてしまうと再開するのはなかなかエネルギーが必要なことは言うまでもありません。

 

しかし、ゆっくりと競わずに走るスロージョギングなら気軽に再開できるはずです。ランニングというと、ついつい大会に出場、そして自己ベストを狙う!となりがちですが、そうではなくて健康維持という視点でランニングを見直してもいいのではないかと思います。

 

スロージョギングなら一人でも、遠くに行かなくても、シューズさえあれば気軽に始められます。一度始めたけれど挫折してしまった方にも、そして「ランニング疲れ」のベテランの方にも、スロージョギングはおすすめです。

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ひがしだいすけ
Morotsuka 51
Morotsuka 51

40歳を目前に陸上未経験で走り始めました。フルマラソンからウルトラマラソン、トレイルまでさまざまな大会にチャレンジしていますが、記録更新よりも楽しくいつまでも走り続けられるライフスタイルを目指しています。