運動不足を解消するには?自宅でできるストレッチから筋トレまで専門家が徹底解説!

運動不足を解消するために何から始めたら良いのかわからない方に向けて、解消方法や対策を紹介している記事です。自宅でもできるトレーニングやストレッチ方法を紹介しますので、運動不足で悩んでいる人は実践してみてください。臨床歴10年の身体の歪みに関する専門家が、運動不足による骨盤の歪みや肩こり、腰痛を緩和するためのエクササイズも紹介します。

記事の目次

  • 運動不足はなぜ身体に悪いのか?
  • 運動不足解消のための室内トレーニングの効果的な実践方法
  • 自宅で骨盤の歪みを整えながら運動不足を解消する筋トレ3選
  • 運動不足による肩こりや腰痛の解消におすすめなストレッチ方法
  • ウォーキングや健康グッズで全身持久力を高めよう
  • 自宅でできるトレーニングやストレッチで運動不足を解消しよう

アイキャッチ画像出典:PIXTA

運動不足はなぜ身体に悪いのか?

運動不足は身体に悪いとは言われますが、具体的な理由を知らない方も多いのではないでしょうか。ここでは、運動不足が体に悪い理由について3つ紹介します。

筋力が落ちて太りやすくなる

お腹を気にする女性の画像

出典:PIXTA

筋力が落ちると、基礎代謝も落ちるため太りやすくなります。

基礎代謝とは体を動かさなくても消費されるエネルギーのことです。基礎代謝で消費されるエネルギーは体温を維持したり、内臓を動かしたりするのに使われます。

姿勢を維持したり関節を動かしたりする骨格筋も、体温を維持するための基礎代謝としてエネルギーを消費しています。

 

厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」によると、基礎代謝の中で骨格筋が消費する割合は全体の22%だとされています。

 

たとえば、30~49歳の男女の基礎代謝は次のようになります。

1日の基礎代謝量 男性 女性
体全体の基礎代謝量 1,530kcal 1,150kcal
骨格筋の基礎代謝量 約340kcal 約250kcal

 

ごはん1膳が約250kcalなので、骨格筋の基礎代謝で1日でごはん一杯分以上のカロリーを消費していることになります。

しかし、運動不足で筋肉量が減ると、ごはん一杯分くらいは消費されるはずのカロリーも減少して太りやすくなるのです。

全身持久力が低下して疲れやすくなる

胸に手を当てる女性

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全身持久力とは、疲れにくさの基となるスタミナや粘り強さのことです。運動中の酸素消費量から、全身持久力が計算されます。

運動不足になると心肺機能が衰えるため、全身持久力が低下し、疲れやすくなります。

 

また全身持久力が低い人は高い人に比べると、エネルギーを効率系につかえません。そのため身体を動かすときにも、より多くのエネルギーが必要になります。

階段で息切れしやすかったり、ちょっと歩いただけで休憩したなる場合は全身持久力が低下しているのかもしれません。

体が歪んで肩こりや腰痛になりやすくなる

大勢の肩こりや腰痛

出典:PIXTA

運動不足だと筋肉量も減少するため、姿勢や骨格を支えるための筋力が弱くなります。

とくに抗重力筋と言われる姿勢を支えるための筋肉量が減少すると、体が歪みやすくなるのです。

 

身体の歪みは猫背や反り腰の招き、慢性的な肩こりや腰痛の原因になります。

運動不足を解消するには、全身持久力を高めたり、姿勢を支えるための筋力をつけることが重要。

 

次に運動不足を解消するための室内トレーニングについて解説します。

運動不足解消のための室内トレーニングの効果的な実践方法

運動不足を解消するためのトレーニングは室内でも可能。効果的な方法で、トレーニングを実践していきましょう。

トレーニング効果を高めるには、呼吸を止めずに酸素を取り込むことや習慣化することを心がけ、筋力をつけるために食事にも気を配るとよいでしょう。

効率的にトレーニングをするための方法を解説しますので、参考にしてください。

呼吸を止めずにトレーニングする

深呼吸をする女性の画像

出典:PIXTA

呼吸を止めずにトレーニングをするとカロリーを消費しやすくなり、効率的に運動不足を解消できます。

しっかりと呼吸をして、呼吸筋と言われる筋肉を働かせたり、酸素を全身にめぐらせ、エネルギー燃焼を促進するとよいでしょう。

 

たとえば、筋トレの際も息を止めずに呼吸を続けることを意識してください。

呼吸を意識すると、激しい運動ができない自宅内でも、効果的な運動を実践可能です。

トレーニングを習慣にする

トレーニングをする女性の画像

出典:PIXTA

運動不足を解消したい場合、まずはトレーニングを習慣にすることが大切です。

一時的な運動だと、すぐに筋力が落ちてしまい、運動不足の状態に戻ります。

 

とくに在宅ワークをされている方は、通勤の時間がない分、歩く機会がずいぶんと少なくなります。そのため、意識的にトレーニングを行う習慣をつけないと、すぐに運動不足になるかもしれません。

 

トレーニングを習慣にする場合、2~3日1回を目安にするとよいでしょう。

 

筋肉は鍛えるとダメージを受け、そこを修復して以前よりも強くなろうとするのに2~3日がかかるからです。この筋肉がさらに強くなろうとする過程を「超回復」といいます。

 

2~3日を要する超回復中に、同じ部位をトレーニングをしてしまうと、筋力が弱くなると言われています。

筋肉が回復するのを待って効率的にトレーニングに取り組んでください。

たんぱく質を取り入れた食事で筋力をつける

たんぱく質を含んだ食事

出典:PIXTA

筋力をつけるにはたんぱく質を摂取するのがおすすすめ。

特に、運動不足を解消しようとトレーニングを行う際は、筋肉の回復を促すためにもたんぱく質が必要です。

 

厚生労働省が発表した「日本の食事摂取基準(2020年版)」を見ると、1歳以上の男女ともに1日に0.66g/kg体重のたんぱく質が必要だと記載されています。

たとえば、体重が50kgの女性だと、次のようにして必要なたんぱく質がわかります。

 

0.66g×50(体重)=33g(必要なたんぱく質)

 

つまり、33gが50kgの女性が1日に必要とするたんぱく質量です。33gのたんぱく質とは、納豆4~5パック分に含まれる量に相当します。

 

日本人はたんぱく質が不足しがちとも言われますので、意識的に摂取していきたいものです。

式内の体重の部分を変更すると各個人が、1日に要するたんぱく質の量を算出可能なので、計算してみてください。

 

次に運動不足を解消するための、具体的なトレーニング方法をお伝えします。

自宅で骨盤の歪みを整えながら運動不足を解消する筋トレ3選

ここでは、骨盤の歪みも整えられるトレーニングを紹介します。

 

骨盤の歪みを整えるには、骨盤を支える下半身の筋肉を鍛えることをおすすめします。

骨盤が整うと、姿勢を支える筋肉を正しく使えることで代謝がアップしたり、リモートワークで崩れがちな姿勢が整いやすくなったりします。

運動不足とともに、身体の歪みも気になる方は、ぜひ実践してみてください。

ヒップリフト

ヒップリフトの画像

出典:PIXTA

<鍛えられる部位>

大殿筋(おしりの筋肉)・ハムストリングス

 

<手順>

  1. 仰向けになって膝と股関節を曲げる
  2. 脚で地面を押すようにしてお尻を浮かせる
  3. お尻を限界まで浮かせたら10秒間キープする
  4. お尻を下ろして地面につける
  5. 1~4を繰り返す

 

<ポイント>

ヒップリフトを行うと、大殿筋というお尻にある大きな筋肉を鍛えられます。

 

大殿筋は骨盤を支えるために重要な筋肉で、弱くなると骨盤を正常な位置に保てなくなります。結果的に腰が反った姿勢になり、腰痛になる可能性があるのです。

 

普段からデスクワークの時間が長い人は、大殿筋が衰えている可能性があるため、ヒップリフトで鍛えておきましょう。

スクワット

スクワットの画像

出典:PIXTA

<鍛えられる部位>

大殿筋・ハムストリングス・大腿四頭筋

 

<手順>

  1. 脚を肩幅くらいに広げて立つ
  2. 膝を曲げて腰を落とす
  3. 膝を90度くらいまで落としたら体を持ち上げる
  4. 1~3を繰り返す

 

<ポイント>

スクワットは下半身を幅広く鍛えられるメリットがあります。

またスクワットをすると、身体の上げ下げの動作をスムーズに行えるようになり、日常生活でも骨盤を安定させて腰を落とせるようになります。

 

たとえば、重いものを持ち上げるときや椅子から立ち上がるときに腰を痛めづらくなるのです。

 

とはいえ、すでに腰痛がある人は注意が必要。スクワットは腰への負担も大きいので、腰痛持ちの方が実践すると腰が痛くなることがあります。腰が痛くなる場合は、ヒップリフトで鍛えるようにしましょう。

ランジスクワット

ランジスクワットの画像

出典:PIXTA

<鍛えられる部位>

大殿筋・中殿筋・ハムストリングス・大腿四頭筋

 

<手順>

  1. 脚を前後に開いて、後ろ足の膝が床につくように腰を落とす
  2. 腰を落とすときは体が左右にブレないようにする
  3. 膝が床のスレスレになるまで腰を落としたら体を持ち上げて元に戻す
  4. 1~3を繰り返す

 

<ポイント>

ランジスクワットは中殿筋を鍛えられるのが特徴です。

脚を前後に開くと身体が不安定になりますが、その不安定な状態を支えるために中殿筋が使われます。

 

中殿筋とはお尻の外側につく筋肉で、ランニングの際には身体が左右にブレるのを抑える働きがあります。

つまり、中殿筋を強化すると左右への身体のブレを防いだり、骨盤の歪みを整えられるのです。

 

骨盤の左右のバランスを安定させたい場合は、ランジスクワットにチャレンジしてみてください。

運動不足による肩こりや腰痛の解消におすすめなストレッチ方法

ここでは筋トレ後やデスクワークの後に実践してもらいたいストレッチをご紹介します。

お伝えするストレッチを地道に続けることで、肩こりや腰痛の解消も期待できますので、ぜひ参考にしてください。

腸腰筋のストレッチ

腸腰筋をストレッチする画像

撮影:ひがしだいすけ

<手順>

  1. ストレッチする側の足を後方へと引く
  2. 後方へ引いた方の足の膝を床につける
  3. 骨盤を立てた状態で身体を前方へとスライドさせる
  4. 後方へと引いた方の股関節前面を伸ばした状態で20秒ほどキープする
  5. 1~3を繰り返す

 

<ポイント>

腸腰筋はデスクワークや立ち仕事など、長時間同じ姿勢をキープすると固まりやすい筋肉です。

主な働きは、股関節や骨盤を動かすことで、腸腰筋が硬くなると骨盤が過度に前傾して腰痛の原因にもなります。

 

運動不足の場合は、硬くなりやすい筋肉なので、自宅で入念にストレッチするとよいでしょう。

ハムストリングスのストレッチ

ハムストリングスのストレッチの画像

撮影:ひがしだいすけ

<手順>

  1. 床に仰向けになる
  2. 伸ばす方の足の太ももの裏を持ち抱え上げる
  3. 膝を伸ばしながら足の裏を天井へと近づけるイメージでストレッチする
  4. 膝を伸ばした状態を20秒ほどキープする
  5. 1~4を繰り返す

 

<ポイント>

ハムストリングスが固まると骨盤が後方へと傾き、腰痛の原因になります。

 

また固まったハムストリングスは、骨盤を後方へと引っ張る状態に。そのため、前屈をするときに骨盤が前方へと傾かずに、腰だけが動いてしまい腰痛の原因になります。

 

ハムストリングスの柔軟性は、腰を痛めない身体づくりの基本なので、日ごろからストレッチをしておきましょう。

広背筋のストレッチ

広背筋のストレッチ画像

撮影:ひがしだいすけ

<手順>

  1. 床に正座をする
  2. 手のひらを上に向けた状態で前方へと突き出し身体を前に倒す
  3. 手の甲は床につけ体をお尻側へとスライドさせる
  4. 肩の付け根に伸びを感じながら20秒ほどキープする
  5. 1~4を繰り返す

 

<ポイント>

広背筋は猫背とも関係が深い背中にある筋肉。なぜなら、広背筋が硬くなると肩が内側に巻き込むようになるからです。

肩が内側に巻き込まれると肩に位置が前方に移動して、背中が丸くなった姿勢になります。

 

背中が丸くなると猫背となり、肩こりや肩関節の痛みなどに悩まされます。デスクワークの人は、特に肩が内側に入りやすい傾向にあるので、猫背予防として習慣にしたいストレッチです。

ウォーキングや健康グッズで全身持久力を高めよう

自宅内で有酸素運動をしたい場合は、踏み台昇降運動もおすすめです。

スペースをとらず静かな運動なので、マンションやアパートでも実践しやすいでしょう。

 

踏み台昇降をはじめとした有酸素運動は、全身持久力を高められるので、日常生活の動作においてもエネルギー効率がよくなります。

結果的に疲れづらいといったメリットがありますので、ぜひお試しください。

 

自宅で踏み台昇降ができるシンプルなフィットネスグッズ。場所を選ばないのため、自宅内をはじめとして室内で有酸素運動をするのにおすすめです。

中でも、ウルトラスポーツ エアロビクスは、高さを10~15cmで調節可能。6種類のカラーから選べるのも魅力です。

ITEM
ウルトラスポーツ エアロビクス
サイズ:約68(幅)×28(奥行)×15cm(高さ)
※高さは10~15cmで調節可能
色:オレンジ・スカイブルー・ピンク・ミントブルー・グリーン・ホワイト

自宅でできるトレーニングやストレッチで運動不足を解消しよう

すっきりした女性の画像

出典:PIXTA

自宅の中で、運動不足の解消をする方法をお伝えしました。その中でも今回は、身体の歪みを整えたり、腰痛や肩こりもスッキリできるトレーニングやストレッチについてご紹介しました。

 

自宅を出る機会が減った方は、まずは自宅内でできるトレーニングを実践してみてはいかがでしょうか。

お伝えした運動法を参考にしつつ、運動不足を解消して健康な毎日を過ごしてください。

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ひがしだいすけ
ひがしだいすけ

鍼灸師・柔道整復師の「ひがし」です。現在は専業ライターとして活動中ですが、以前は身体の不調をお持ちの方が、健康を取り戻すためのお手伝いをしておりました。今は文章で、みなさんの健康のお役に立てればと思っています。身体に関する専門的なことを、分かりやすくしてお伝えしますので、どうぞ参考にしてください。