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マラソン大会に向けて食事管理が重要な理由とは?
長時間運動を続けるマラソンでは、普段では考えられないエネルギーが必要となります。日頃からコツコツと食事内容を整えていくことで胃腸の調子を整え、レース中のエネルギー不足を回避しながら、完走を目指すことができます。では、フルマラソンのエネルギー消費量や食事の重要性について具体的に見ていきましょう。
フルマラソンを完走すると2000〜3000カロリー消費する

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レース中は大量にエネルギーを消費しますが、体内にそれだけのエネルギーを事前に蓄えることができません。そのためレースの1週間前から栄養管理をしっかりと行い、本番で良い結果を出せるように準備していくことが重要です。
ちなみに、10kmマラソンなど短い距離のレースではエネルギー不足になりにくいので、普段通りの食事でも大丈夫ですよ。
急な大量摂取はNG!消化不良を起こしてしまうことも

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レースに向けて普段食べている以上にエネルギーを摂取する必要がありますが、前日や大会当日だけ大量にエネルギーを摂取すると、胃腸がびっくりしてしまい、消化不良を起こしてしまうこともあります。
さらに、レース本番は緊張から腹痛が起きることもあるため、試走を行うのと同じように、前もって胃腸を強化する準備期間が大切なのです。
「食事の質・量・タイミング」が走るコンディションを左右する

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マラソンを完走するのに、3時間以上かかるランナーこそ食事の管理が大切です。なぜなら、レース中の走るスピードや走り切るためのエネルギーを供給できる体のコンデションが完全に出来上がっていないので、食事の事前準備がしっかりできているか否かが結果に繋がります。
また、運動強度が高いほど、体内で消費される炭水化物(糖質)の比率は高くなるため、糖質の管理がマラソンのパフォーマンスの鍵となります。
どのように糖質をコントロールしていけば良いのか、具体的な調整方法については、次の項目で紹介していきます。
事前の「糖質管理」が結果に繋がる!【レース1週間前】から調整しよう
レース当日にパワーを最大限に発揮するためには、エネルギー源である糖質をきちんと蓄えた状態で本番に臨む必要があります。そこで有効な食事法が、糖質を体内にできる限りため込んでおく「カーボローディング」です。うまく実践すれば、筋肉中や内臓に通常の倍以上の糖質を蓄えることができると言われています。
カーボローディングを行うには、特別なメニューを用意する必要はなく、普段通りの食事でも実践できますよ。ここでは、朝、昼、夜におすすめのメニュー例を出して紹介していきます。
【7日前~3日前】は通常の食事よりも気持ち糖質を減らして

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7日前から3日前は、食事量を減らす必要はないのですが、いったん体内の「糖質」を減らすことで、レース当日に体内に糖質を最大限に蓄えられるようになります。糖質が含まれる炭水化物の量を少し減らし、たんぱく質や脂質が多く含まれる食材を摂るようにしていきましょう。
【メニュー例】
朝:ごはん(少なめ)、サバの塩焼き、だし巻き、納豆、具だくさん味噌汁
昼:豚丼(ごはん少なめ)、味噌汁、サラダ
おやつ:プロテイン、ナッツ類
夜:茶碗に軽く盛ったごはん、豚しゃぶ(鶏肉や牛肉のステーキなど)、冷奴、具だくさん味噌汁
メインの炭水化物であるごはんを少なめに設定しますが、いきなり半分以下に減らすような極端な変化は、体調に悪影響を及ぼす可能性があります。まずは、7〜8割程度くらい少なめにしてみるなど、自分の体と相談しながら試してみましょう。
炭水化物を少なくしたことにより空腹感を感じる場合は、間食として、プロテインやナッツ類を摂ると良いですよ。
【3日前~1日前】は糖質の割合を増やす

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3日前からは、糖質の割合を増やしていきましょう。一つの食材から多くの糖質を摂るのではなく、米、パン、餅、麺類、芋類、果物などさまざまな食材を組み合わせて摂るようにし、相性のいい炭水化物を探るのもいいでしょう。ただし、芋類には食物繊維も多く含まれているので、大量に摂取すると、お腹の調子を崩す可能性もあるので注意が必要です。
また、一回の食事で多くの糖質を摂るのではなく、消化を助けるために糖質を小分けにして食べたり、食べやすいように柔らかく調理したり工夫をしてみましょう。
【メニュー例】
朝:チーズトースト、温野菜サラダ、コーンスープ
昼:おにぎり、ミニわかめうどん、ほうれん草のお浸し
おやつ:みたらし団子(大福、焼き芋)、プロテイン
夜:ごはん(多め)、ハンバーグ、ポテトサラダ、トマトスライス
ごはんを多めに摂るようにしますが、カーボローディングに慣れていない人は要注意。いつも1膳しか食べていないのに、いきなり3膳にするなど、極端に増やすと逆にパフォーマンスが悪くなる可能性が高くなります。いつもより少し多く摂るだけでも蓄えられるエネルギー量は増えるので、何回か試しながら自分に適した摂取量を見つけてみてください。
【前日】は消化の良い食材を摂り、確実に糖質を吸収させよう

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前日は、消化しやすい食事を心がけることで、本番に備えて確実に糖質を体内に吸収させるだけでなく、胃腸をいたわることもできます。本番当日の朝に胃もたれしないためにも、昼食をメインにし、夜は軽めにしておくのも良いでしょう。糖質の燃焼効率を上げるために、ビタミンb群を多く含む豚肉や大豆製品、たらこなどを取り入れるのもおすすめです。
【メニュー例】
朝:力うどん、ミニトマト
昼:たらこスパゲッティ、温野菜サラダ
おやつ:バナナ
夜:ごはん、湯豆腐、具だくさん味噌汁、豚しゃぶ
▼カーボローディングについて詳しく知りたい人はこちらの記事も参考に!
胃腸のために控えた方がいい食材は?

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食べ慣れていない食材やごぼうやサツマイモなどの繊維質は、ガスが溜まりやすいので避けた方がベター。あとは、揚げ物は胃もたれしやすく、生ものはおなかの調子を崩しやすい恐れがあるので、控えるようにしてくださいね。
また、アルコールを摂取すると脱水状態になったり、睡眠の質が低下したりとパフォーマンスが低下する原因となるので、基本的に前日は避けるようにしてください。しかし、晩酌する習慣がある人が完全に禁酒をしてしまうと、ストレスになって眠れなくなってしまうことも。もし飲酒する場合は、自分の体調と相談しながら、軽めに抑えてくださいね。
いざ本番!【当日の朝からレース後まで】の食事スケジュール
レース当日は緊張しやすいので、胃腸に負担がかからないよう、普段から食べ慣れている消化のいい物を食べるようにしましょう。また、体内には、1時間半~2時間分のエネルギーしか蓄えることができないため、朝ごはんだけでなくランニング中のエネルギーチャージも不可欠です。
ここからは、当日の食事スケジュールの目安を紹介していくので、参考にしてみてくださいね。
【3時間前まで】にエネルギー源となる炭水化物をチャージ!

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食べ物が消化・吸収されるまでには時間がかかります。エネルギーとして力を発揮するのは、大体3時間ほどかかるため、朝食はレース開始3時間前までに終わらせておくのが理想的です。スタミナ切れを回避するために、消化がいい炭水化物を多めに摂りましょう。朝食では、脂質と食物繊維を最低限に抑えると、レース中の胃腸トラブルを軽減してくれますよ。ごはんやお餅、パン、麺類、バナナ、カステラなど、普段食べ慣れているものを組み合わせてくださいね。
【メニュー例】
・鮭おにぎり
・ゆで卵
・バナナ
・インスタントの味噌汁
レース当日は忙しく、自分で朝食を準備するのが難しいと感じる人も多いはず。移動中での食べやすいよう、コンビニなどで手軽に手に入る食材で準備するのもありですよ。
【1時間~30分前】に糖質やアミノ酸を補給

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レース中、体内で血糖値が低下すると、極度の疲労感やモチベーションが低下してしまう「ハンガーノック」が起こってしまう場合があります。それを防ぐために、1時間〜30分前に、消化のしやすい固形物や液体などから糖質を補給するようにしましょう。
また、事前のトレーニングで疲労した筋肉を回復させるために、アミノ酸も一緒に摂取するようにしてくださいね。手軽にアミノ酸を摂取できるBCAAサプリがおすすめです。
【おすすめ食材】
・バナナ
・カステラ
・果汁100%ジュース
・エネルギーゼリー
・BCAAサプリ
・スポーツドリンク
▼マラソンにおすすめのサプリを詳しく知りたい人はこちらの記事も参考に!
【スタート直前】はあめやチョコで軽く糖分を補給

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スタート直前の糖質補給には、消化の負担になりにくいあめやぶどう糖タブレット、チョコレートがおすすめ。中でもチョコレートは糖質と脂質を含んでいるので、スタミナ切れを回避してくれますよ。脱水や塩分の枯渇を防ぐために、水分やミネラルをこまめにとることも忘れないように。
▼マラソン中の水分補給について詳しく知りたい人はこちらの記事も参考に!
【レース中】は手持ちのジェルやエイドステーションなどで小まめに栄養補給

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走っている最中に大量に食べてしまうと腹痛の原因になるため、少量ずつ摂取できて、携帯しやすいエネルギージェルを持っておくと安心です。補給食を摂取するタイミングは、走るペースによっても変わってきますが、エネルギージェルのカロリーは大体200kcal前後なので、4時間ほどで完走できる人は10kmごとを目安にジェルを補給、5〜6時間で完走目標の人は1時間毎を目安に摂ることを目安にしてみてくださいね。
また、マラソン大会では、軽食や水分などを補給できるエイドステーションを設置されていることが多いので、それを有効活用するのもありですよ。
ITEM
Mag-on(マグオン)エナジージェル お試し6個セット
●内容量:6個(ウメ、グレープフルーツ、アップル、レモン、ラフランス、ピンクグレープフルーツ各1)
●栄養成分:エネルギー 120kcal、炭水化物 30g、ナトリウム 55mg、マグネシウム 50mg、タンパク質/脂質 0g
Mag-on(マグオン)は、エネルギーと同時にマグネシウムを素早く摂れるエナジージェル。吸収率の高い水溶性マグネシウムを50mg配合。マグネシウムが不足してしまうと、体の運動機能を保ち続けるのが難しくなるので、最後までパフォーマンスを維持したいマラソンランナーにおすすめです。一般的なエナジージェルと比べ甘すぎず、さっぱりした味で飲みやすいのも特徴です。
▼レース中の補給食を摂るタイミングについて詳しく知りたい人はこちらの記事も参考に!
【レース後】はリカバリー重視の食事を

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レース後はできるだけ早めに水分補給をし、脱水症状を防ぎましょう。そして30分以内を目安に糖質やたんぱく質を補給し、筋肉の疲労回復を意識してくださいね。レース後は免疫力が低下している状態なので、胃腸に刺激が少なく、食べやすいものを選ぶといいですよ。
【おすすめ食材】
・サケおにぎり、シーチキンおにぎり
・カステラ
・卵入りサンドイッチ
・フルーツ
・エネルギーゼリー
・プロテイン
▼レース後の食事について知りたい人はこちらの記事も参考に!
事前の食事が当日のコンディションを左右する!自分にベストな食事内容を見つけよう!

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練習も大切ですが、それと同じくらい食事内容にこだわり、レースに耐えきれる胃腸をつくりあげるのもランナーとして一つの課題。食材や摂取するタイミングは体質によって合う、合わないがあります。最高のレースにするために、前もって食事内容や補給食のシミュレーションをし、自分に適した栄養摂取のプランを試行錯誤していきましょう。
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